Theme & Brief
「サーキュラーエコノミー(循環 × 再生)が拓く建築の未来
― 分解と再編による新たな建築の可能性 ―」
リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへ。サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは、物質やエネルギーを限られた域内で循環させ、持続可能な社会を目指す経済モデルです。天然資源を「採る・作る・使う・捨てる」従来のリニアエコノミー(直線型経済)とは対照的に、採掘や廃棄のプロセスそのものをデザインの範疇に取り込みます。
エレン・マッカーサー財団は、サーキュラーエコノミーの原則を次の3つに整理しています。この考え方を建築に持ち込むとき、建物は「完成して終わる作品」から、時間や場所を越えて部材が巡り続ける“マテリアルバンク(資源の銀行)”へと捉え直されます。
廃棄物と汚染を、あらかじめ生み出さないように設計する。
製品と原材料を、価値を保ったまま使い続ける。
自然の仕組みを再生し、循環を取り戻す。
循環を読み解く 2つのものさし
6S(部位)… Stuff/Space Plan/Services/Skin/Structure/Site ― 寿命の異なる6つの層で建築を捉える(S. ブランド『How Buildings Learn』)。
12R(フェーズ)… Narrow(少なく使う)/Slow(長く使う)/Close(再循環)の3段階で、資源の巡りを設計する。
“ doing more with less ” ― より少なく、より豊かに。
近年、経済合理性を優先する社会の中で、大量生産・大量消費を前提とした建築が数多く造られてきました。環境負荷の増大や資源枯渇といった地球規模の課題を顕在化させるだけでなく、人々の思い出が詰まった街並みさえ、いとも簡単に取り壊され、新たな建築が建て続けられています。
かつて伝統的な木造住宅が主流だった時代には、他の建築で使われた古材を積極的に活用し、四季の気候に応じてエネルギーを極力使わない環境建築群が街並みを構成していました。新しくても、どこか親しみやすさや懐かしさの漂う空間がそこにはありました。
一方、少子高齢化と空き家問題が進む今も、私たちは新しい建築を作り続けています。空き家は解体撤去費だけで数百万円以上かかることも多く、財産を減らす“金食い虫”として、引き継いだ人の悩みの種になってきました。
では、もしサーキュラーエコノミーの概念で建物を造ったらどうなるでしょうか。空き家になっても部材(パーツ)を容易に移設できれば、引き継いだ人の財産を目減りさせることなく、むしろ新たな財産を生み出せるかもしれません。建築を“資源のストック場”として捉える——そんな建築群が形成された社会では、社会全体に資源をストックするという発想が生まれてくるはずです。
構成部材が時間や場所を越えて循環する仕組みをあらかじめ設計に組み込むことで、素材・思い出・資源・経済の循環が生まれ、スクラップ&ビルドや単なるリノベーション・コンバージョンとは異なる、新たな建築のつくられ方と価値観が見いだせるのではないでしょうか。
「サーキュラーエコノミー(循環 × 再生)」の概念を建築分野に応用し、建築を完成形として固定するのではなく、将来的な分解・移設・再編を前提とした可変的な存在として再定義する提案を求めます。分解可能な構法、再利用を想定したディテール、移設や用途変更に対応する計画、そしてその概念が社会全体へ与える影響まで——具体的な設計手法を通して、サーキュラーエコノミーが切り拓く新しい建築社会の未来像を示してください。
資源や材料は、敷地の建物だけに閉じる必要はありません。町や都市全体を“資源のストック場”として捉える——そんな広がりのある発想を歓迎します。
Concept
建てて、壊すのではなく。
分解し、再び編み直す。
素材も、思い出も、経済も巡る建築へ。
The Loop
容易に解体できる接合と構法。建築を不可逆な完成形ではなく、解ける構造として捉える。
パーツ単位で運び、別の場所へ。空き家や余剰素材を、次の敷地のストックとして活かす。
同じ素材で、新しい関係を編む。用途や暮らしの変化に応じて建築を編み直す。
素材・記憶・経済が次代へ巡る。スクラップ&ビルドを超えた循環型の建築社会へ。
Application Requirements
Judging Criteria
一次審査はデータ(PDF)による書類審査、二次審査は審査員が巡回するポスターセッション(発表2分+質疑2分)で実施します。次の5つの視点から作品を総合的に評価します。
「循環」の考え方が提案の核になっているか。
循環の概念が、建築的な仕組み・空間として具体化されているか。
既存の事例の再現ではない、独自の視点があるか。
構法・運用の面で成立しうる説得力があるか。
パネル1枚で提案の魅力が伝わるか。
Award Composition
※ 入賞は賞状のみの授与です。受賞者は合計28名を予定しています。
Introduction of Judges
Schedule
公式サイトにて募集要項を掲載し、エントリーを受け付けます。
PDFによるデータ提出を締め切り、書類審査を実施。通過者へ二次審査をご案内します。
久慈設計 東京支社にて実施。審査員巡回のポスターセッション(発表2分+質疑2分)。来場が難しい場合はZoom発表も可能です。
Points to Note
他コンペや媒体に未発表のオリジナル作品に限ります。第三者の権利を侵害しないことを確認のうえご応募ください。
全作品の著作権は応募者に帰属します。主催者(久慈設計)は、受賞作品を含む応募作品を、本コンペティションの広報・記録を目的として無償で使用できるものとします。
取得した個人情報は主催者・運営事務局が適切に管理し、ご本人の同意なく第三者へ提供しません。文言は確定後に反映してください。
Q&A / Contact
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